小林酒造本店とは?

福岡,糟屋郡,宇美町,小林酒造,日本酒,萬代

福岡市の南東、糟屋郡宇美町にある小林酒造本店と言えば「萬代」です。
福岡のお酒好きの方なら、「バンダイ」の響きは特別なものだと思います。
私、友添健二の幼いころはテレビで萬代のCMが流れていましたし、中洲のネオン街を歩けば萬代の看板がたくさんあった記憶がありますから。
「萬代」は福岡の酒の代名詞と言っても過言ではなかったと思います。

福岡,糟屋郡,宇美町,小林酒造,日本酒,萬代

そんな萬代の看板を、コロナ禍の2020年9月から、新杜氏として背負っているのが、38歳の石藏利輔さんです。
友添も名前を聞いて「もしや?」と思ったんですが、実は博多百年蔵で知られる石蔵酒造の蔵元、石蔵家の親戚なんだそうです。
幼いころ、百年蔵に通っているうちに「いつかは酒造りをしたい」と思うようになり、東京農業大学の醸造科学科へ。
卒業後、広島の酒類総合研究所に務め、27歳のときに小林酒造本店の門を叩いたそうです。
それから10年で、1792年(寛政4年)創業の歴史ある蔵の酒造り責任者を任されるんですから、なかなかの才能がある蔵人だと見受けられます。

福岡,糟屋郡,宇美町,小林酒造,日本酒,萬代

実際、萬代の蔵の技術力は、素晴らしいと思っています。
きっちりと仕上げる技が、38歳の若き杜氏にも受け継がれていると感じます。
その技術力は、「立春朝搾り」に表れています。

日本名門酒会加盟の蔵が、立春に絞った酒をその日に提供する、この「立春朝搾り」に、福岡で唯一参加している酒蔵が小林酒造本店です。
友添は毎年2月の立春に、小林酒造本店に車を走らせ、朝搾りたてで、近くの宇美八幡宮の宮司が祈願したおめでたい日本酒を積んで帰ります。
毎年予約完売の人気商品です。
酒屋としては、毎年当たり前の行事になっているのですが、この当たり前が実は難しい。

立春の日の朝に搾る計画で、酒を仕込むというのは簡単なことではありません。
麹菌といった生き物を扱うわけですから、いろんな内的、外敵要因にも左右され、発酵状態も毎回一緒にはならないわけです。
とっても極端な話、4月1日に花見をしたいから、4月1日に桜の花を咲かせようと思って、簡単に咲かせることはできますか、っていうことです。

福岡,糟屋郡,宇美町,小林酒造,日本酒,萬代

もちろん「保険」として、タンクを何本か同じ時期に仕込むそうなんですけど、だからといって、立春の日にベストの状態で、お酒を搾って提供するのは、難しい。
しかも、おいしくなければ、お客さんはそっぽを向くわけですから、毎年相当なプレッシャーだと思います。

そんな「立春朝搾り」を、毎年当たり前のよう提供しているわけですから、その事実だけで、小林酒造本店の実力は、お分かりになっていただけるかと思います。
若き杜氏石蔵さんは、この伝統ある「萬代」でバンダイにわたって受け継がれていく味を研究し、現代の愛飲者に納得福岡の顔にふさわしい福酒を目指して頑張っています。

大吟醸で大往生。powered by 友添本店