なぜ福岡の地酒にこだわるのか?
その理由は福岡への「故郷愛」
友添本店の友添健二が、なぜ福岡の地酒にこだわるのか?
その理由の行き着くところは、私のふるさと、福岡への「故郷愛」でしょうか。
地酒は心を揺さぶるものだと思うんです。
私の母校である福岡市の春吉小学校に自分の子が入学した時です。
校歌を覚えていたので、何十年ぶりに歌って聞かせたんです。
すると、目から涙がどんどんあふれてきたんです。
自分の中で眠っていた、大好きだった母校の思い出が呼び起こされたんでしょうね。
びっくりする経験でした。
地酒、それは郷愁を誘うもの
私は地酒も、母校の校歌と同じようなものだと思うんです。
飲むと、何とも言えない郷愁を誘うもの。
私の中で、なくしてしまってはいけない大切なものです。
東京に出て、久しぶりに帰郷して飲む地元の酒は「やっぱりこれだ!」と心をグラグラと揺らしてくれます。
そんな感覚って、大事じゃないでしょうか。
しかし、数年前までは、福岡の飲み屋に入っても、福岡の地酒を置いてないところばかり。
地元の酒を愛でないことへの悔しさと同時に、飲食店に酒を卸す酒屋として強く反省した次第です。
だから福岡の地酒にこだわるのです
私は福岡で福岡の酒が売れないと、福岡の酒蔵の永続的な繁栄はないと思っています。
福岡の酒蔵が元気でないと、友添本店のような小規模の酒屋も落ちぶれていきます。
世の中に全国の大手酒造会社の酒ばかりが並ぶようになれば、小さな蔵は潰れ、私たち友添本店のような酒屋はディスカウント店との価格競争に破れ、消えていきます。
だから、友添本店では、福岡の地酒にこだわるのです。
どの酒屋もやってこなかった「福岡の全70蔵の酒がそろう店」として独自に流通ルートを開拓し、福岡の地酒応援団に名乗りを上げているのです。
福岡の地酒を守るために
ただ福岡の酒業界は、昔よりも元気がありません。
廃業する酒蔵も増え、実際に酒造りを行っているのは、50蔵を切っていると聞きます。
昔なつかしの地酒を、なつかしいままで終わらせてはいけない。
守っていかなければならない。
その思いを胸に、これからも福岡の地酒を応援していきたいと思っています。