篠崎とは?

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篠崎(福岡県朝倉市比良松)は江戸時代後期に清酒製造を始めた220年の歴史がある蔵だそうですが、私、友添健二は失礼ながら、最近まで日本酒を造っているとは知りませんでした。

篠崎と聞いて1番に思い浮かべるのは、甘酒です。
友添商店でも人気の篠崎の看板商品「国菊あまざけ」は麹ブームにも乗って、ぐんぐん売上を伸ばし、国内シェアでもトップクラスを誇るほどの存在です。
そして、2番目に思い浮かべるのは、本格焼酎「千年の眠り」です。

友添の頭の中に、篠崎の日本酒が入ってなかったのも無理はないかもしれません。
篠崎にとって清酒は、全体売上の数%しかないぐらい、小さな存在だったからです。

地元朝倉の米で造る、最高の酒

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私が篠崎の日本酒に出会ったときに感じたのは、「きれいで、飲みやすいお酒だなあ」ということです。
製造部長の山村智昭さんに特徴を聞いて、一本筋が通っているのも気に入りました。

「地元の物で最高の酒を造りたい」と山村さん。
使用するほとんどの酒米が、地元朝倉周辺の農家に栽培してもらっている山田錦で、地産の酒造りにこだわっているそうです。
高級酒ラインの「比良松」シリーズは、本当に飲みやすいお酒です。

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実際に、国内外の酒類競技会で立派な賞を取っていることで、実力は裏付けられています。

難局を乗り越え、篠崎が挑む次の一手

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そして今回、篠崎を訪問して驚いたことがありました。
この10年で会社の環境が劇的に変わっているということです。
東日本大震災後に甘酒のブームが来て売上が急増し、成長が上昇曲線を描きます。
と思ったら、2017年7月の九州北部豪雨に襲われ、工場が浸水。
機械の被害や2ヶ月の操業停止により、単純計算6億円ほどのダメージを受けます。
そのすきに、八海山などの大きな酒造会社が甘酒市場に攻め込んできて、今や甘酒市場も落ち着いた状態に。
そんな時代に、次の1手として何を考えているのか?
それが、ウイスキーの製造だというから驚きました。
甘酒の第2工場建設を白紙に戻し、空いた土地にウイスキー工場を建て、来年から製造を開始するそうです。
この新型コロナウイルスの時代にあって、篠崎の資金力、そして積極果敢な投資力は、素直にすごいと思います。

酒造りにかける、篠崎の心意気

もはや日本酒は篠崎にとって小さな存在になってしまっていますが、蔵の跡取りの篠崎倫明さんは、清酒蔵としてスタートしたアイデンティティーを守るために、日本酒はつくり続けていくそうです。
そして、造るからには、トップレベルの評価を受ける日本酒を

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甘酒で頂点に立った篠崎だからこそ、心が震えるようなうまい酒をつくってくれるんじゃないか。
そんな期待が膨らんできます。

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